地盤沈下で傾いたお墓の傾き直し工事。パイプで地盤補強、耐震施工での据え直し、京都市内の寺院墓地にて

こんにちは。京都市、亀岡市、宇治市、向日市、長岡京市、八幡市をはじめとした、京都南部にてご対応させていただいております、石材店かわむらの川村です。京都市内のお寺様墓地にて、お墓の傾き直しをさせていただきましたので、ご紹介いたします。

 

【京都市寺院墓地 地盤沈下による傾き直し】

 

「10年ほど前に建てたお墓が傾いている」というご相談をいただきました。ご連絡をいただいて、早速現地へ確認に向かいました。

 

こちらがご相談のお墓です。見た目にもまだまだきれいなお墓ですが、花立てを見ても確かに後ろに傾いているのが分かりました。これは心配されるのもわかります。

 

横から見てもこのような状況です。さっそく傾きの原因を調査すると、すぐ横のブロック壁もひび割れが見られ、他のお墓も同じように傾いていました。そのため、この辺りの地盤が沈下していることが原因と考えられました。この場合解決方法としては、一度お墓を取り外して基礎を打ち直し、再度お墓を据え直す工事が必要になります。お客様にも原因と対策をお話して、工事をさせていただくことになりました。

 

工事が始まっています。まずはお墓を一旦取り外し、巻き石やその下のコンクリートなどもすべて取り外しました。ここで一旦整地をしますが、このままでは基礎を打ち直してもまた傾いてしまいます。

 

そこで基礎を打つ前に、地盤補強のための鉄のパイプを打ち込みます。地下の硬い層(支持層)に当たるまで打ち込んでいきます。

 

同じように、合計4か所にパイプを打ち込みました。できる限り地盤を補強してから基礎を打ち直します。

 

地盤補強が終わり、改めて基礎コンクリートを打ちました。京都では巻き石の下に基礎を打つ方法が多いのですが、今回は地盤のことを考えできる限り基礎を強くするため、巻き石とお墓の下まで一枚物の基礎を打ちました。しばらく養生したら基礎が完成です。

 

基礎がしっかり固まってから、巻き石の据え付けに入ります。角の部分は、耐震ボンドとL字の金具を使用して、石と石が開いたりしないようしっかりと固定します。

 

巻き石や塔婆立てを据え終わり、お墓の一番下の下台を据え直しました。部材の設置面には耐震ボンドを使用して据えていきます。

 

据え直しが完了です。これでひとまず、できる限りの工事を終えました。

地盤補強の工事の際は、お寺のご住職様も立ち会ってくださいました。パイプを打ち込んでいる様子を見ながら、「ここまでしてまた傾いたりすることがあれば、場所を移すことも考えないと…」とおっしゃっていましたが、今回可能な限りの補強を行いましたので、しっかり保ってくれることと思います。

お墓の傾きを直す工事は、当店でもたびたび頂くご相談のひとつです。今回はお墓のある場所一帯の地盤沈下による傾きということで、一旦お墓をすべて取り外して地盤の補強から行う必要がありましたが、ひと口に傾き直しといっても、お墓の状態や傾きの原因は様々で、場合によっては取り外しはせずに傾きを直すこともあります。また、お客様のご希望やご予算によっては、解体せずに応急処置を行うことも可能です。いずれにしても、お墓が傾いているという状態は不安なものですよね。きちんと状況やご希望を伺って工事を行っていますので、どうぞ安心してご相談ください!